岡山県発の斬新な試みが、地域の魅力を発信します。デニムと学生服という岡山の特産品を使ったアートバス「AOHARE号」が誕生しました。これは、カンコー学生服、青木被服、両備ホールディングスの3社によるコラボレーションによって実現したもので、子どもたちの自由な創造力が生み出したアートがバス全体を彩る、ユニークで創造的な空間が広がっています。このアートバスは、地域を走りながらSDGs(持続可能な開発目標)のメッセージを伝える新たな形の公共交通機関として、岡山の街を1年間駆け抜けます。
「AOHARE号」は、岡山県井原市に本社を置く青木被服株式会社、岡山市北区に本社を持つカンコー学生服株式会社、そして両備ホールディングス株式会社の3社がタッグを組んで制作したアートバスです。このバスは、デニムと学生服の残布を活用し、SDGsをテーマにしたデザインが施されています。特に、2024年8月9日と10日に行われたワークショップでは、地元の子どもたちが残布を使って自由な発想で制作したアート作品がバスの内装を飾り、そのデザインには青木被服のデザイナー、青木俊樹氏が監修を担当しました。
1. 天井デザイン:「青春の力」を表現
バスの天井には、タイダイ染めを施したサテン地が大空をイメージして張り巡らされ、そこにデニムで作られたセーラー服のリボンや学生服の金属ボタンが舞うデザインが施されています。これは、力強くも甘酸っぱい青春の日々を彷彿とさせ、乗客がこの空間でその日々を思い出すことを意図しています。
2. 子どもたちのアート作品が彩る立体的な空間
子どもたちの自由な発想で作られた25点のアート作品がバスの内装を彩り、デニムと制服という異業種の素材が一体感あふれる立体的な空間を作り出しています。アートボードに直接描かれた絵や切り絵作品が、バスをパワフルかつ生き生きとした空間に仕上げています。
3. デニムと学生服で装飾されたヘッドレストカバー
全座席のヘッドレストカバーには、青木被服が制作したジーンズの代名詞であるレザーパッチとデニムポケットが施され、さらに銀糸を使ったシルバーデニムやインディゴ染めの華やかなサテン地が使用されています。カンコー学生服のデザインはセーラー服の襟をモチーフにしており、席ごとに異なるデザインが楽しめるよう工夫されています。最後部座席には、両社の素材を組み合わせたパッチワークカバーが使用されています。
4. 特注ペイントの藍色ホイール
車体のホイールは、青空をイメージした藍色に特注ペイントで仕上げられ、両備バスのブルーラインと絶妙なコントラストを生み出しています。これにより、車体外装のバランスが鮮やかに保たれています。
5. 子どもたちの声が響く停車ボタン
停車ボタンを押すと、ワークショップでアートボードを制作した子どもたちの「AOHAREバス次とまります。今日も明日も晴れやかに!」という元気な声が流れます。
AOHARE号に込められた想い
「AOHARE号」の名前は、「AO(青)」が学生服やデニム、両備バスを象徴する色であり、「HARE(ハレ)」が地域を明るく晴れやかに照らすバスであることを表現しています。このバスには、岡山の未来を照らす光となるような願いが込められています。
このプロジェクトは、岡山に本社を持つ3社が、地域社会の課題を解決するために立ち上げたもので、岡山の地域産業の魅力を広め、持続可能な地域づくりに貢献することを目指しています。デニムと学生服という異業種のコラボレーションは、固定概念にとらわれない自由な発想の重要性を示すものであり、地域の子どもたちが参加することで、SDGsをテーマにした新たな形の公共交通が実現しました。